提言

2021.9 奈良県の観光活性化への提言

奈良県の観光活性化への提言

2018.10.19 奈良の企業活性化について

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2018.10.19 奈良の観光活性化について

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年頭所感

令和4年年頭所感

令和4年1月6日

令和4年年頭所感

奈 良 経 済 同 友 会 
代表幹事 吉田  裕
代表幹事 井村 守宏

 我が国において新型コロナウイルス (以下、コロナという)感染が確認されて以来ほぼ2年が経過した。100年に一度といわれるパンデミックは時に大きなうねりをみせながらも、我が国においてはワクチン接種が進んだこともあり、コロナは比較的落ち着きをみせている。ただ、新たな変異株の出現で先行きの不透明感は再び増しており、コロナと付き合いながらいかに経済を回していくかの模索が続いている。
 コロナの早期収束が待たれるところであるが、社会・経済のしくみはこれまでに大きく変化しており、コロナが収まっても元には戻らず「新しい日常(ニューノーマル)」が始まったと捉えるべきと考えている。その意味において、現在は新しいスタート、あるべき姿を考えるときであり、受け身からの脱却、現場、既存のしくみを見直す機会である。AIなどの先端技術の活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じての生産性向上、従業員のリスキリングに取り組むとともに、生産性の高い分野へのシフト、ジョブ型雇用の導入検討、終身雇用制の見直しなども図っていかなければならない。
 一方、少子高齢化、人口減少がさらに進むとともに、地球温暖化に伴う気候変動等により我々を取り巻く環境も大きく変化している。「誰ひとり取り残さない」をキーワードとするSDGsは単に守りの道具ではなく、我々の成長の機会を提供する手段と考えていかなければならない。
 奈良県としてのサステナビリティも問われている。本格的な人口減少時代を迎え、より自立(自律)した経済をめざし、「住みよい奈良」「働きやすい奈良」「訪れたい奈良」として生き残る奈良県の構築に寄与していきたいと考える。
 我々はこれまで例会、委員会活動などを通して奈良県の活性化について学習し議論を重ねてきたが、今後もより良い奈良県をめざし、さらに提言を行うとともに行動する同友会として活動を続けていく。

 本年の具体的な考え方及び活動内容は、下記のとおりである。

1.企業として取り組むべきことについて

 奈良県の経済活性化については、会員企業それぞれが努力し繁栄することが基本であり、各企業の創意工夫が求められる。加速化する時代の流れ、環境変化を確かな目線で捉え、社会課題解決にいかに対応するかが問われている。
① 事業のDX推進
 あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中、各企業は競争力維持・強化のために、DX推進をスピーディーに進めていくことが求められている。
 当会においても、DX推進に関する学習機会を増やし会員のデジタルリテラシーを高めるとともに、自社のDXによるビジネスモデルの変革を進め、県内企業において先導的な役割を果たしていきたい。
② 社会のサステナビリティを念頭においた経営
 企業が持続的に稼ぐ力を養っていくのはいつの時代も求められる。しかし、短期的には優良なビジネスモデルであったとしても中長期的にリスクと定義されれば継続することは難しくなる。不確実性が高まるなか、企業が持続的に稼ぐ力を養っていくためには、将来の社会の姿からバックキャストして中・長期的なリスクと事業機会を把握し経営に反映していくことが求められる。
 SDGsに掲げられた17の目標は解決すべき社会課題であり、これらを解決することができれば社会のサステナビリティの向上につながる。社会のサステナビリティを念頭におき自社ビジネスとの関連性を探りながら社会課題の解決を探る方策についても研究を進めていきたい。
③ 多様で柔軟な働き方の提案
 少子高齢化及び人口減少により日本の生産年齢人口(15~64 歳)は減少の一途をたどっている。総人口に占める割合は 59.5%(2020年国勢調査)と 1950年以来70年ぶりに6割の大台を割り込んでいる。
 人口減少時代の経済成長は一人ひとりが能力を高め、規制緩和にも取り組んで生産性をどう押し上げるかにかかる。DX活用でビジネスモデルの変換に取り組むことと並行して従業員には多様で柔軟な働き方を提案していくことで生産性向上につなげていく。ウェルビーイング経営についての学習を深め、働きがいのある職場の提供にも取り組んでいく。また、リモートワークやワーケーションなど奈良における新しい働き方についても研究を進めていきたい。
④ 脱炭素経営について
 日本は温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする脱炭素社会の実現を宣言している。これにより、企業にも脱炭素を取り入れた事業運営が求められ、大企業のみならず中小企業も脱炭素経営が経営上の優先課題となってきた。
 脱炭素への取り組みは時代の要請である一方、脱炭素経営により、自社製品の訴求力向上、光熱費・燃料費の低減、外部への認知度向上など様々なメリットが享受できる。当会においても、脱炭素への取り組みのあり方について研究するとともに会員の意識向上に努めていきたい。

2.奈良県の観光活性化について

 一昨年の新型コロナ感染症の発生以来、県内の観光関連産業は観光客数の激減とともに売上高の大幅な減少に見舞われた。観光は裾野の広い産業であることから、その活性化は奈良県経済にとって重要なテーマの一つであると考える。
 昨年9月、当会では「観光活性化委員会」において「奈良県の観光活性化への提言」を取りまとめた。本年は、同提言を踏まえ、以下の点についてさらに深掘り、実践へと駒を進めていきたい。
① 奈良に対する当事者意識の高揚
 奈良で生まれ育った人だけでなく、奈良で働き、学ぶ人も対象とするシビックプライドを醸成し、奈良に対する地元愛、当事者意識の高揚を図っていく。そのためには、学校教育だけでなく、市民講座やインターンシップを通じて奈良県に対する意識や関心を高める機会を増やしていきたい。
 ウイズコロナの下で新たな観光需要をつくるには、マイクロツーリズムの推進が有効である。「いまなら。キャンペーン」を活用し、県民に地元奈良の魅力を再認識してもらうことで、シビックプライド醸成の機運を高めていきたい。当会では会員企業の協力によるオープンファクトリーの実施など地元ならではの企画などを検討・提案し、奈良の新しい魅力の創出にかかわっていく。
② 奈良の新しい観光魅力の提案
 奈良を自転車で周遊するサイクルツーリズムを推進し、地域とのふれあいや観光を楽しむ奈良の新しい観光魅力を提案していく。そのためのしかけとして、サイクルトレインの導入について当局への要望を進めていく。また、奈良県観光の弱点ともいわれてきた二次観光を補うため観光タクシーの充実やライドシェア導入についても検討し、より回りやすく魅力ある奈良をつくるための方策を考えていきたい。
③ 観光アワードの創設
 奈良県観光のプレゼンスを高めるため、観光地魅力に関する情報発信を強化する。当会では要望や提言を行うだけでなく、「行動する同友会」を標ぼうし、「観光活性化アワード」を創設する。そうすることで、奈良県の観光情報発信の充実にも寄与していきたい。
 具体的には、奈良県内のおすすめの場所の写真を募集する「フォトコンテスト」や奈良の観光魅力を端的にアピールする「キャッチコピー」などについて、今後具体的に検討を進めていく予定である。

3.大規模災害時の奈良県の役割について

 地震、異常気象など災害大国といわれる日本にありながら、奈良県は山間部を除き比較的 大きな自然災害被害に遭わずに来た。それが故に、他の地に暮らす人達よりも、奈良に住む 人達の防災、災害復旧に対する意識は低いと言わざるをえない。広域で発生する東南海・南海地震を筆頭に予測することの出来ない災害が各地で起こる中、奈良県という地理的特性を県民一人ひとりが認識することが大切と考える。
 まずは自分たちの命は自分たちで守るという意識の高揚、そして、その先にある奈良県を軸とした広域災害支援という考え方の意識付け、経済各分野における防災を切り口とした広域連携のあり方などを行政主導の下、確立できることが大切である。
 災害時の連携は直接的に関わる物理的分野(エネルギー、運輸、食品、建設など)はここ10 年で大きく変化を遂げたが、教育、福祉などソフトに関わる分野については、まだまだ確立できていない。特に、この分野は日頃からの関係が、いざという時の支援に繋がることが多い。被災者受け入れについても、水の影響を受けない奈良だからこそ、不動産事業者との連携による、空き家情報の一元化などを日頃から実施することにより、新設の仮設住宅を待たずして速やかに受け入れ出来るなど、出来ることはまだまだあると考える。ある意味、総ての産業分野にやるべき広域体制は確立できると考えており、それがいざというときの支援に繋がると確信する。
 被災しにくい奈良だからこそ、その中にある奈良県企業であるからこそ、広域的に貢献する土壌作りを提言したいと考えている。

4.女性活躍推進について

 我が国の労働生産性がOECD加盟国の中で長年低位に位置し、イノベーションの創出についても先進諸国に後塵を拝している状況にある。奈良県においても同様の傾向にあり、県内総生産の国内割合は従前の1%を割り込み、直近の調査では0.68%まで低下している。
 当会は女性活躍による多様性が、生産性の向上やイノベーションの創出に繋がり、奈良県経済活性化の重要な要素であると考えている。しかし、現状の奈良県の女性就業率は62.8%(15~64歳、2015年)と全国最下位にあることや、性的役割分担意識が他府県と比較し非常に強いこと等の課題が多く見られる。特に就業率については出産・子育て時に退職し、その後の就業復帰率が低く、いわゆるM字カーブが他府県に比べ大きいことが奈良県の特徴となっている。
 現在これら課題の真因を議論する中、今後、女性活躍推進による奈良県経済発展のため個別具体的な対応策について検討を行い提言に結び付けたいと考えている。
 奈良経済同友会は、上記の事項を踏まえ、本年も引き続き、奈良県の地域活性化に向けた活動を行うとともに、サステナブルな奈良県構築に向けた社会及びビジネスのあり方に関して研究および発信を進めていきたいと考えている。

以上

その他

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