提言

2025.4 奈良県の女性活躍推進に向けた提言

奈良県の女性活躍推進に向けた提言

2024.12 地域経済活性化に向けた提言

地域経済活性化に向けた提言

2023.12 防災、災害復旧に対する提言

防災、災害復旧に対する提言

2021.9 奈良県の観光活性化への提言

奈良県の観光活性化への提言

2018.10.19 奈良の企業活性化について

テキスト版ビジュアル版

2018.10.19 奈良の観光活性化について

テキスト版ビジュアル版

年頭所感

令和8年年頭所感

令和8年1月6日

令和8年年頭所感

奈 良 経 済 同 友 会 
代表幹事 出口 悦弘
代表幹事 中村 光良

 一昨年の能登半島地震の記憶と教訓を胸に刻み、今なお続く被災地の復興と再生に深い連帯の念を寄せながら、私たちは歩みを進めてまいりました。世界では依然として紛争や保護主義的な動きが続く一方、国内では株価の堅調な推移やデジタル化の進展によって、新たな成長の芽が育ちつつあります。他方、「金利のある世界」へ移行し、物価と賃金の同時上昇、円安や関税の影響によるコスト増が企業経営を圧迫しています。経済活動の二極化が鮮明となる中で、企業には一層の構造変革力と、特定市場への依存を避けるリスク分散力など、柔軟な経営戦略が求められています。

 地域経済の面では、大阪・関西万博は多くの来場者を迎え、当初の懸念を払拭する成果を上げました。万博は来場者の心に新しい視点や価値観をもたらす、学びの場としての役割も果たしました。また万博期間中、次の訪問先として奈良を選ぶ訪問者が多かったことは、奈良の潜在力と情報発信力の高さを示すものであり、これを一過性のものとせず、より強い発信力へと進化させる必要があります。さらに今後は万博後の成長軸となる大阪IRの開業も控えており、関西経済のさらなる発展が期待されます。

 昨年、奈良県出身の高市早苗氏が我が国初の女性総理大臣に就任しました。この歴史的出来事は、奈良から新たなリーダーが生まれた誇りであると同時に、私たち自身が「変化を嫌う・閉鎖的」といった固定観念を乗り越え、新たな挑戦へ踏み出す契機ともなります。高市内閣が支持を得ているのは「女性だから」ではなく、政策や方向性への納得感が背景にあります。当会としては特定の政治家個人の支持ではなく、「国益を重視する姿勢」と「社会への貢献で評価される経済活動」を明確に示していく必要があります。企業にとって負担や変革を伴う政策が示される場面があったとしても、国益と地域の未来に寄与するものであれば、政策実現に向けた協力に取り組む方針です。

 人口減少、人手不足、2050年カーボンニュートラル実現に向けた気候変動対策など、わが国の社会課題は深刻化しています。Jクレジット制度などを活用し、これらを新たな経済機会に転換する発想が不可欠です。当会が創立以来掲げてきた「人を中心とした経営」を大切にし、地域の持続的発展に向けた活動を展開いたします。

 さらに当会では、5月をめどに「あこがれ特区構想」の提言書を提出する予定です。「奈良が誰もが住みたいあこがれの地となる」ための取組みは、県全体の魅力向上、産業人材確保、中南和地域活性化に資する構想であり、本年の活動の大きな柱となります。

 奈良経済同友会は、これまで培ってきた経験とネットワークを生かし、地域の皆さま、行政、教育機関、他地域の同友会との連携を一層強め、サステナブルで心豊かな社会の実現をめざしてまいります。
 本年の事業活動の基本的な考え方と重点項目は、以下のとおりです。


1.働きがいのある強い会社づくりと人材活用戦略の高度化

 労働人口の減少と人材の県外流出は深刻な課題であり、特に古い慣習や機器への執着(経路依存性)を断ち切り、新しいものを導入する際は完全に変える意識をもって、生産性向上のためのデジタルスキル(DX)習得と、生成AIなど新技術を使いこなす「アフターAI時代の人材」への転換が急務です。この挑戦を成長の好機と捉え、当会は「人への投資」を未来への最大の先行投資と位置づけます。

 単なる賃金改善にとどまらず、従業員が「夢」や「誇り」を感じられる働きがいの向上を経営の重要課題として提唱します。具体的には努力を称える仕組み(褒める文化)の構築を推奨し、エンゲージメントの向上と組織の新陳代謝を促します。また、ハラスメント関連法制の影響などにより生じる、過度な保護と使用者責任のバランスの乱れについても健全化に向けた議論を深め、持続可能な雇用環境づくりを推進します。

 若者の価値観を的確にとらえた採用戦略を強化し、「人を大切にする経営」の実践を通じて、奈良の企業を若者に選ばれる魅力ある存在へと高めてまいります。

2.奈良のブランド価値の確立と戦略的発信

 万博による追い風を確かな成長につなげるため、奈良でしか味わえない上質な体験型観光を推進します。今年の大河ドラマ(豊臣兄弟!)や書道のユネスコ無形文化遺産登録に向けた動き、日本酒発祥の地としての文化など奈良固有の価値を積極的に活かします。

 特に中南和地域については、本年の飛鳥・藤原宮都の世界遺産登録が見込まれるなど、大きな潜在力があります。「この地でしか味わえない上質な体験型観光」を提案し、観光を「宿泊を伴う滞在型・消費創出型」へと転換することを強く働きかけます。町並み、食文化、生活様式など地域資源を磨き上げ、魅力あるストーリーと文化的魅力を的確に発信することで、若年層を含む国内外の幅広い層に響くブランド価値を確立し、持続的な観光経済圏の形成を目指します。

 あわせて、増加するインバウンド需要を確かな地域経済効果へと結びつけるため、多言語対応の強化、交通・観光動線の最適化、キャッシュレス環境の充実など、受入体制の一層の整備が欠かせません。一方で、中国との関係に不透明感が生じ、また世界情勢が不安定な中、観光業界のみならず企業経営全般において、特定地域への依存は企業活動にとって大きなリスクであり、分散戦略が一段と重要になります。東南アジアや欧米など多様な市場へのアプローチを強化し、特定国に依存しない持続可能な需要を形成することが重要です。奈良の固有価値を生かしながら、市場動向の情報収集と戦略的対応策について議論を深め、安定的な観光経済圏の構築をめざします。

3.地域連携による経済活性化と人口減対策

 県内産業の硬直化や若年層の流出を防ぐため、地域企業同士の連携によるオープンイノベーションを力強く推進します。奈良国立大学機構のアカデミアの力と企業の現場をつなぎ、産地学官連携による新たな事業創出を後押しします。

 さらに、行政とともに企業誘致や住環境・教育環境の充実を進め、若者が奈良に「夢と活躍の場」を見いだせる地域づくりを推進します。郷土への誇り(シビックプライド)を育む教育への支援も強化し、奈良を活力あふれる「選ばれる地域」へと導いてまいります。

4.奈良経済の持続的発展に向けた交通・情報基盤(インフラ)の構築

 奈良県の道路整備率は依然として全国最下位水準にあり、企業誘致、物流、広域防災の面でも大きな制約となっています。京奈和自動車道の早期全線開通はもとより、県道・市道を含む各地域の道路網の改善や、近鉄大和西大寺駅の高架化等による渋滞緩和など、地域全体の交通ネットワークの再構築が急務です。

 加えて、リニア中央新幹線の県内新駅整備は、奈良の将来を大きく左右する国家的プロジェクトであり、継続的な議論とともに、実現に向けた取り組みを進めます。

 また、デジタル社会の基盤である高速大容量通信網についても、地域間格差の是正を強く求め、すべての地域・企業がデジタル化の恩恵を受けられる環境整備を推進します。

 当会は、インフラ整備を「未来への投資」と位置づけ、問題点の解決に向けた取り組みを進め、奈良の潜在力を最大限に引き出す強固な基盤づくりを進めます。

5.西日本経済同友会会員合同懇談会奈良大会の成功

 本年10月に奈良で開催される「第123回西日本経済同友会会員合同懇談会奈良大会」は、「はじまりの奈良から、持続可能な未来への挑戦」をテーマとし、西日本18の同友会が集う重要な機会です。当会は、奈良の歴史・文化・自然・人の魅力を国内外に発信し、心に残る大会となるよう全力を尽くします。大会を通じて新たな交流と連携の輪を広げ、地域経済への確かな波及効果を生み出すことを目指します。

 奈良経済同友会は、以上の重点項目を柱として、地域経済の持続的発展と、次世代に誇れる奈良県づくりをめざし、提言と実践を両輪として取り組んでまいります。

 会員一人ひとりが地域を担う経営者としての責任と誇りを胸に、奈良から日本の未来を照らすべく、本年も力強く事業を進めてまいります。

以上

その他

2020.07.30 新型コロナウィルス感染症影響度(7月)調査結果

NEWS PELEASE「新型コロナウィルス感染症影響度(7月)調査結果」 「新型コロナウィルス感染症影響度(7月)調査」結果報告書

2020.04.28 新型コロナウイルス感染症影響度調査結果

NEWS RELEASE「新型コロナウイルス感染症影響度調査結果」 「新型コロナウイルス感染症の影響度」に関するアンケート調査結果報告書

2019.05.10

奈良経済同友会SDGs宣言