提言
2023.12 防災、災害復旧に対する提言
防災、災害復旧に対する提言2021.9 奈良県の観光活性化への提言
奈良県の観光活性化への提言年頭所感
令和6年年頭所感令和6年1月9日
令和6年年頭所感
奈 良 経 済 同 友 会
代表幹事 井村 守宏
代表幹事 出口 悦弘
地球温暖化による世界各地での異常気象、自然災害は後を絶たず、それに伴う農林業や漁業への悪影響が次第に大きくなっている。ロシアのウクライナ侵攻継続に加え、ガザ・イスラエルの戦闘勃発による政情不安から原油、穀物相場の高騰を招いている。円安の進行による輸入価格の上昇が原材料価格に跳ね返り、中小企業においては価格転嫁が遅れており利益が圧迫されている。
一昨年に80万人を割り込んだ出生数が、昨年は早70万人台前半にまで落ち込むと予想されており、さらなる少子高齢化が迫っている。労働力人口の減少が一段と進むとともに、女性、高齢者はもちろん、外国人の活用をも含めて労働力確保を進めていくことが現実の課題となってきている。また、運輸業、建設業などでは2024年問題への対応が喫緊の課題となっているほか、中小企業においても優秀な人材の争奪戦が活発化するなど人材確保への対処は企業の生き残りをかけた問題となっている。
人手不足を解消しさらに優秀な人材を確保するには、これまで維持すら覚束(おぼつか)なかった賃金を上げていくこと、それも物価上昇を上回る賃上げが必要である。そのためには、自社の独自性を追求し、自社製品やサービスの付加価値を上げることで、競争力を向上させ、販売価格を上げなければならない。
自社の強みを築くため会社のしくみをどう変えるか、社員にやりがいや夢を抱いてもらえる組織づくりはどうすればよいか等について正面から取り組まなければならない時が到来したと考えている。
これまで例会、委員会活動などを通して経営者として企業や社会のあるべき姿について学習し議論を重ねてきたが、今後もより良い社会、より良い奈良県をめざし、さらに提言を行うとともに行動する同友会として活動を続けていく。
本年の具体的な考え方及び活動内容は、下記のとおりである。
記
1.より良く強い会社づくり
労働力人口が減少し、人手不足が常態化するなか、人材確保のためには賃上げは避けて通れない。人手不足のなか確かな会社経営を進めていくには、優秀な人材の確保が最優先事項と考える。「賃上げの前に会社の利益」「人件費は会社のコスト」という考え方を改め、人材確保は「会社の先行投資」として捉え、そのためには何が必要か、何ができるかについて検討していきたい。また、人材の流動化が進む中、従業員の定着のためには、社員に対し「会社の魅力」「働きがい」を提供することを考えていく。経営者自らが改革に取り組み、社員に会社の存在意義を示していくことが必要である。当会としてもそのための研究、実践の方策について考える場をつくっていきたいと考えている。
2.地域連携を軸に地域経済活性化
地域経済活性化のために、産地ブランドの構築を模索しつつ地域内企業の連携、強化のあり方を探る。同業種内や同地域内の企業の横のつながりを重視し、役割分担を担い、共同研究や共同事業を行うなどの関係をつくり、地域としての競争力強化を図る方策を示していきたい。現在、奈良教育大学と奈良女子大学が統合して設置された奈良国立大学機構では、大学、地方自治体、経済団体、県内企業などが連携して地域活性化に取り組む産地学官連携プラットフォームが始動しており、当会もこれに参画していく。
3.次世代の奈良を支える人材の育成、活用
奈良県は従来から教育熱が高く、優秀な学生が育つ土地柄であるといわれる。他府県の大学への進学実績もあげている。ただ、他府県の大学へ進学した学生の多くは奈良に戻らずにそのまま他府県で就職する傾向が強く、奈良県から若年層が流出する状況が続いている。奈良県の活性化を考えるにあたっては、まず若者の奈良愛を高める必要がある。そのためには、小さいころからシビックプライド(郷土への誇りと愛着)を育てる教育を求めていく。奈良を良くしていきたいという思いを抱く若者を増やし、将来奈良で就職する流れをつくっていきたい。一方、若い時に県外の大手企業に就職した人材もシビックプライドがあれば、郷土奈良での起業や、定年後の地元での活躍の場を見つける機会にもつながることが期待されよう。
また、これと並行して、今後、県内で学ぶ場所や働く場所をつくることが是非とも必要である。これまで進んできた県内への企業誘致をさらに進めるとともに、次世代の奈良を支える人材の育成、活用をはかるためには、県内における工業系、IT系大学の設置は必須であると考える。今後も機会をとらえて国や県に設置を要望していきたい。
4.将来の奈良県経済の基本となる道路インフラの整備
将来の奈良県経済の発展の基本となるのは、道路インフラの整備である。県南北間移動の快適性や時間の短縮は奈良県の長年の課題であり悲願でもある。働く場所の確保のための企業誘致や県南部への観光周遊で奈良県域を巡る観光の魅力づくりのために、県内のスムーズな交通体系の整備・構築が是非とも必要である。現在、奈良県を南北に貫く京奈和自動車道については、建設が着々と進んでおり、全線の早期開通が待たれるところであるが、それに加えて県内のその他一般道路についても整備改善が求められる。県内のミッシングリンクの解消や道路拡幅、信号系統の整備等により県内の総合的な交通体系の整備が進められることについても要望を重ねていきたい。
5.大阪・関西万博の来場者の奈良観光への誘致
2025年4月開催予定の大阪・関西万博は来場者総数2800万人超が想定されている。会場となる夢洲から近距離にある奈良県としては、国内外からやってくる多数の来場者を奈良への観光に誘う絶好のチャンスととらえている。県や民間の経済団体、観光関連業者とも連携して、万博来場をきっかけとした奈良観光への誘致について協議を進めていきたい。6.その他
西日本地区の17の経済同友会会員が一堂に参加する西日本経済同友会会員合同懇談会(参加目標人数500名)を2026年秋に奈良市において開催する。この準備のため、開催2年前にあたる2024年度に実行委員会を立ち上げる。奈良を舞台にして講演会、シンポジウム、懇談会、エクスカーション等を企画実施し、西日本経済同友会会員の参加、交流を図るとともに、奈良の観光魅力を提供し地域経済への波及効果をねらう。
奈良経済同友会は、上記の事項を踏まえ、本年も引き続き、奈良県の地域活性化に向けた活動を行うとともに、サステナブルな奈良県構築に向けた社会及びビジネスのあり方に関して研究および発信を進めていきたいと考えている。
以上
その他
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