提言

2018.10.19 奈良の企業活性化について

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2018.10.19 奈良の観光活性化について

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年頭所感

令和3年年頭所感

令和3年1月6日

令和3年年頭所感

奈 良 経 済 同 友 会 
代表幹事 吉田  裕
代表幹事 井村 守宏

 昨年、世界的に広まった新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)は、我々の生命を危険に曝すのみならず、これまで経験したことのない規模とスピードで社会経済システムの変革も迫るものとなった。
 新型コロナの収束については、今後の治療薬、ワクチン等の開発・普及に待つしかないが、認識しておかねばならないのは、アフターコロナに我々を待ち受けているのは、これまで慣れ親しんできた世界ではなく、新しい価値観に基づき、新しい仕組みで動く社会であり経済システムであるということであろう。
 当会はこれまで例会や各種委員会活動等で得た知見をベースに、毎年の年頭所感で奈良県の地域活性化方策について表明してきたが、今回の新型コロナのもたらすインパクトの大きさと今後もしばらく現下のような危機的状況が続くとみられることから、今年の年頭所感では、我々の目の前に立ちはだかる新型コロナへの対処に焦点を合わせつつ、奈良県の地域活性化について考えていくこととした。

以下、当会が奈良県地域活性化の要点と考える「企業活性化」と「観光活性化」という2点から奈良県の地域活性化について述べる。

Ⅰ.「企業活性化」について

(1)デジタル革新の加速
 新型コロナの感染が続く中にあって、県内企業でもリモートワークは働き方改革とも相まって非対面型の企業活動の形態として有力な選択肢となっている。
 今後はさらに、経済活動のイノベーションや市民生活の向上に向けて、AI、IoT、5Gなどのデジタル技術の導入が促進されるのに加え、高度なデジタル通信サービスの提供が受けられる環境整備が求められる。
 このことから、DX導入に向けて、県内企業においてもデジタル投資の重要性への認識を高め、従業員のデジタルリテラシーをさらに向上させていくことが必要と考える。
(2)地域におけるイノベーションの創出
 新型コロナの感染拡大は、社会経済システムに大きな変化をもたらしており、今後においても「ウイズコロナ」の中で経済活動を持続的に発展させていくためには、これまでの発想や考え方を見直し新たな手法を生み出していかねばならない。
 パラダイムシフト化が多くの分野で進行する中にあって、地域自らがイノベーションを創出し、地域に新たな付加価値を生んでいくような流れと環境整備を官民一体で取り組んでいくことが求められる。
(3)BCP整備で感染症による経営リスクの低減
 新型コロナに対する治療薬やワクチンの開発が進められているが、完全な収束までにはなお時間を要する。それゆえ、感染症下の事業継続は、災害発生直後から復旧を目指す自然災害とは異なり、感染拡大の防止、継続・縮小事業の選定、人員や運転資金の確保等、企業にとっては数か月から数年単位での長期の事業計画の変更や感染症ならではの対応が求められる。
 当会では、今般の新型コロナの感染拡大にあたり、経営リスクの低減のため、自然災害のみならず感染症にも対応したBCPの早急な見直しと整備について県内企業に改めて警鐘を鳴らすとともに提唱を進めていきたい。
(4)多様で柔軟な働き方を実現するビジネスの展開
 豊かな自然が残り、豊富な歴史文化遺産を擁する奈良は、自然災害も少ない。そのうえ大阪や京都など大都市にも近いことから、高い文化・教育・生活水準をキープできる住みやすい土地柄といえよう。
国では、コロナ禍を契機に、都会から地方への分散の流れをつくろうとしているが、県内でも、ワーケーションやリモートワーク等多様で柔軟な働き方やライフスタイルが広がることに期待が膨らんでいる。働きやすく住みやすい場所としての新しい奈良の魅力をアピールするとともに、これをビジネスチャンスとして活かす方策についても考察を進めていきたい。

Ⅱ.「観光活性化」について

(1) マイクロツーリズムを広める(奈良県民、近隣府県住民への県の魅力発信)
「ウイズコロナ」時代には、地元の人たちが近場で過ごす旅のスタイルである「マイクロツーリズム」が注目される。奈良県民は豊富な観光資源に恵まれる地に住みながら意外と奈良のことを知らない。奈良県内にある旅館やホテルで、温泉や自然散策、料理を楽しみ、活力を取り戻す滞在型旅行は、安全・安心に過ごしながら地域の魅力を深く知るきっかけになり、地域経済循環にも貢献する。また、奈良県民が地元の魅力を知ることは奈良県に対する愛着と誇りを醸成するとともに県民による県の魅力発信にもつながることが期待される。新型コロナで県境を跨ぐ移動が抑制される今こそマイクロツーリズムを広めていきたい。
(2) 国内観光客をターゲットにした観光魅力の創出
 ここ数年のインバウンド増加は奈良にも大きな賑わいをもたらしたが、新型コロナの感染拡大により消滅してしまった。コロナ禍の今こそインバウンドに頼らない、国内観光客をターゲットにした観光魅力の創出が求められる。
 全国的にみれば、インバウンドが国内旅行消費額に占める割合はピーク時でも2割程度。国内観光マーケットは国内観光客が主力である。奇しくも今回のコロナ禍は、奈良観光にとって振れ幅の大きいインバウンドではなく、本来のターゲットである国内観光客に焦点を合わすことの大切さを示唆するものとなった。
 奈良観光においては、経済効果向上のため日帰り型から宿泊・滞在型への観光スタイルの変化が長年の課題となっている。国内観光客に対し「日本のふるさと奈良」をテーマとして「うまいもの」「ゆったりした奈良の暮らし」「大和野菜」「学び巡る楽しみ」等これまで十分に発信できていなかった奈良の資源をブランド価値のあるものにまで高め、インバウンドに頼らない奈良観光を構築する方策について研究を進めていきたい。
(3) 観光産業を中心とした地域循環型経済の強化
 「ウイズコロナ」の時代にあっては、地域経済の自立をめざし地域循環型の経済をより強化することが求められる。
 特に観光産業にあっては、現況の地域経済循環構造の分析を行うとともに、地域の資源や地域の強みを再認識しながら観光地奈良の競争力をどう高めていくのか、また、域内の経済の循環性を高めるために、生産に必要なモノやサービスの域内調達率をどのように高めていくのかなど、地域循環型経済の強化に向けた議論を本年も引き続き提起していきたい。
 奈良経済同友会では、上記の事項を基本として、本年も奈良県の地域活性化に向けた提言やビジネスチャンスの発掘に注力していきたいと考えている。
 また、昨年は、奈良県女性活躍の場の拡大を考える「女性活躍推進委員会」及び広域災害発生時の奈良の役割を考える「広域支援検討委員会」の2つの委員会を新たに立ち上げており、活発な委員会活動により、引き続き、より良い奈良を追求していきたい。

以上

その他

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