事業計画( 令和8年度 )

令和7年度の我が国経済は、「金利のある世界」への本格的な移行、物価と賃金の相乗的な上昇に加え、歴史的な円安の継続やエネルギー価格の高騰など、企業経営の前提条件が根本から覆される大きな変化に見舞われた。また、地政学リスクの常態化によるサプライチェーンの分断や保護主義の台頭は、対外環境の不確実性を一段と高めている。

国内においても、企業収益が二極化する中、コスト増と深刻な人手不足が経営の足枷となっており、もはや過去の成功体験の延長線上では生き残れない時代となっている。
こうした環境下において、我々企業人には、構造変革を恐れない「攻めの経営」と、リスクを分散する柔軟な戦略が、かつてないほど強く求められている。

一方、地域に目を向ければ、大阪・関西万博のレガシーであるインバウンド需要や関西への注目を、一過性のブームで終わらせてはならない。今こそ、奈良の類まれな歴史的・文化的価値を「高付加価値なコンテンツ」へと昇華させ、持続的な交流と消費を生む仕組みを構築すべきである。

また、人口減少という構造的課題に対し、当会は「あこがれ特区構想」をその解決の柱に据える。若年層から選ばれる地域となるためには、単なる雇用の維持にとどまらず、大学や行政との緊密な連携による「産学共創」を通じて、知的刺激と挑戦の機会に満ちた土壌を育む必要がある。

このような認識のもと、我々は「人を中心とした経営」を堅持し、働きがいのある企業づくりと人材投資を一層加速させる。同時に、リニア中央新幹線や京奈和自動車道といった広域インフラの整備促進、さらには生成AI等の先端技術による変革を強力に推進し、奈良のブランド価値を世界へと戦略的に発信していく。

当会は、提言と実践を両輪として、次世代が誇りを持てる奈良の未来を切り拓くべく、以下の事業に邁進する。

<事業計画>

Ⅰ 魅力と意義のある「例会」等諸活動の実施

(1)「人への投資」「DX・生成AI活用」「観光・地域ブランディング」など時流にあったテーマによる講演会・意見交換会・懇親会の開催
(2)先進地域・企業の視察および県外経済同友会との交流の実施
(3)会員相互の親睦を深めるための家族親睦会、ゴルフ親睦会等の実施
(4)海外経済動向を踏まえた海外視察研修の実施

Ⅱ 委員会活動の充実・強化

  令和8年年頭所感および「あこがれ特区構想」に基づき、大学・行政等と連携しながら、次年度の本格実施に向けた制度設計と実効性のある提言活動を行う。

1.奈良・新価値創造委員会(仮称・新設)
  本社が県外にある企業の支店長・支社長の視点を活かし、奈良の潜在能力と改善点を検証し、外部視点による「課題と魅力」を整理し、行政提言に向けた土台を築く。

2.産学共創・未来人材委員会(仮称・新設)
  「あこがれ特区構想」を具現化するため、大学側と実行に向けた制度設計を行う。
  ・共同教育:大学教員を招き、企業ニーズを教育現場へ反映させる骨子を策定する。
  ・出前講座:経営者が「経営のリアル」を伝える講座の立案について協議する。
  ・企業現場への招致:教員や学生を企業の「会議」や「戦略構築の現場」にゲストとして招く交流の定例化に向け、受入手法等を協議する。

3.観光活性化委員会
  万博のレガシーを活かし、点在する観光資源を交通網で結ぶための具体的提言を練り上げる 。例えば、JR特別列車の大阪・京都からの乗り入れ促進、和歌山方面への延伸など、広域観光経済圏の形成に向けた具体的路線・運行ダイヤ案の策定を行い、交通事業者や行政への働きかけを開始する。

Ⅲ 会員増強と組織基盤の強化

 同友会の存在価値を高め、将来的に活動を担う人材の確保をめざし、若手経営者層を含めた会員増強に取り組むとともに、会員の参画意識向上を図る。

Ⅳ 当会事業のDX化推進・拡充

(1) 例会等の案内・出欠管理のデジタル化の推進
(2) ホームページ・メール等を活用した情報発信の強化
(3) 生成AI等の新技術活用による事務局機能の高度化

Ⅴ 「行政およびアカデミアとの密接な意見交換会」の実施

  従来の行政との対話に加え、国立・県立大学との対話を「次世代の奈良」を創るための最優先事項として位置づけ、継続的な意見交換を実施し、政策提言につなげる。

Ⅵ 「ネットワーク」活動の充実

(1)全国・西日本・関西の各経済同友会との連携強化および各種会合への積極的参加
(2)近隣同友会との情報交換・交流の推進
(3)大学、行政、経済団体等との連携強化(産地学官連携の推進)

Ⅶ 奈良のブランド価値向上と交流人口の拡大

 大阪・関西万博のレガシーを活かし、奈良への来訪者を持続的な交流・消費へとつなげるため、観光資源の高付加価値化と戦略的発信、受入環境整備の推進に取り組む。

Ⅷ 広域インフラ整備の促進

 関係諸団体と連携し、京奈和自動車道の早期全線開通およびリニア中央新幹線の整備促進等、奈良の発展に不可欠な広域交通インフラの整備を推進する。

以上

事業報告

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